温湯ぬるゆ)” の例文
かえって口きゝ玉うにも物柔かく、御手水おちょうず温湯ぬるゆ椽側えんがわもって参り、楊枝ようじの房少しむしりて塩一小皿ひとこざらと共に塗盆ぬりぼんいだ僅計わずかばかりの事をさえ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「十三日。晴。浅瀬石村より温湯ぬるゆ村温泉行。庄屋重次郎へ逗留。生口子より急報来る。左の如し。軍艦青森港へ到著候に付、即刻同所へ可罷越趣。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
うすい温湯ぬるゆのような粥であったが、食物が、胃へながれこむと、全身はにわかに、火のようなほてりを覚えてきた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて傳吉は小娘に誘引いざなはある家に入て見ればはしらまがりてたふのきかたぶき屋根おちていかにも貧家ひんかの有樣なれば傳吉は跡先あとさき見回し今更立ち出んも如何と見合ける中に小娘はたらひ温湯ぬるゆ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
豆腐粕とうふかすしぼった温湯ぬるゆで洗うとよいと教えられて、武蔵は翌る日、旅籠で一日それを繰り返していた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)