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淨瑠璃語
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じやうるりかた
勿々世話にも
成難く如何はせんと思ひし
折柄竹本君太夫と云ふ
淨瑠璃語り金七が
上方に在りし頃よりの
知己にて火事見舞に來りしを
隱し居たりける然るに其頃芝明神前に
藤重と云る
淨瑠璃語りの女有しが
容貌衆人に
勝れ心
優しき者なる故
弟子も多く
日々稽古の
絶る隙なく繁昌しける此所へ吾助は
不※稽古せんものと
這入込たるが
好色者の
癖なれば
藤重が
嬋娟なる姿に
迷ひ夫よりは稽古に事
寄せ日夜
入浸りに行きけるが
流石に云
寄便りもなく
空敷月日を