活計みすぎ)” の例文
幸福さいはひ多かるべきかな舟の上の活計みすぎや、日に/\今朝の如くならんには我は櫓をとり舵を操りて、夕の霧、あしたの潮烟りが中に五十年の皮袋を埋め果てんかなと我知らず云ひ出づれば
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
づかしや女子をんな不似合ふにあひくだものりも一重ひとへ活計みすぎためのみならず便たよりもがなたづねたやの一しんなりしがゑにしあやしくかたありて不圖ふとれられし黒塗塀くろぬりべい勝手かつてもとにあきなひせしときあとにてけば御稽古おけいこがへりとやじやうさまのしたるくるまいきほひよく御門内ごもんうち引入ひきいるゝとてでんとするわれ行違ゆきちがひしがなにれけんがさしたる櫛車くしくるままへには
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
若き時活計みすぎ疎く、西南の不夜城に居びたりのいきつき酒して耳に近き逐ひ出しの鐘を恨み、明けて白む雲をさへうるさやと遣戸やりどさゝせ、窓塞がせ、蝋燭を列べさせて、世上の昼を夜にして遊ぶも
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)