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沮
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はば
ふりがな文庫
“
沮
(
はば
)” の例文
基通の車が一人外れて、方角違いに走り去るのを見た平家の侍が追い掛けようとしたが、囲りの人々から
沮
(
はば
)
まれて、やっと思い留まった。
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
言うことを
沮
(
はば
)
んでしまったようなただいまの一句、「まるで、お嫁さんにでも……」と言った言葉尻をとらまえてしまいました。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
攘夷の実を行う
能
(
あた
)
わざるがために、その一天万乗の君主が攘夷を勅し、幕府これを
沮
(
はば
)
みしがために、遂に幕府を倒すの
已
(
や
)
むを得ざるに到りしのみ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
主人
(
あるじ
)
は直ちに葛城の母と長兄を
訪
(
たず
)
ねた。彼は面目ない心地がした。若し死が人生の最大不幸なら、お馨さんの渡米を
沮
(
はば
)
んだ彼人々は先見の明があったのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
出遅れと云うような馬数少ない時よりはスタートの可能性も多いわけでありコースを他馬に
沮
(
はば
)
まれたりする機会も多い。どうしても幾分レースに無理が生じるのである。
競馬の一日に就いて
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
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「矢っ張り商売柄建造物の保護とすぐ分るんだね。実際然うさ。便宜上の問題だけれど、結果から言うと京都では芸術の権威が武力を
沮
(
はば
)
み止めていることになるだろう」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
宮は
躬
(
みづから
)
の心の底を
叩
(
たた
)
きて、答を得るに
沮
(
はば
)
みつつも、さすがに又
己
(
おのれ
)
にも知れざる秘密の潜める
心地
(
ここち
)
して、一面には
覚束
(
おぼつか
)
なくも、又一面にはとにもかくにも信ぜらるるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
察する所今度の学校停止に不満を抱き、この機を幸いに遊学を試みんとには非ずや、父上の
御許
(
おんゆる
)
しこそなけれ母は
御身
(
おんみ
)
を片田舎の
埋木
(
うもれぎ
)
となすを惜しむ者、如何で
折角
(
せっかく
)
の志を
沮
(
はば
)
むべき
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
「もし思い通りに銭の面が出ない時には、士気を
沮
(
はば
)
める
虞
(
おそ
)
れがあります」
中国怪奇小説集:11 異聞総録・其他(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今はもう進んで穿鑿する気力も
竭
(
つ
)
き勇気も
沮
(
はば
)
んだ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
熱中の間にこそ、ともかく、一時的なりとはいえ、この暴君の境外進出が
沮
(
はば
)
まれることになる。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
陽に陰にこれを
沮
(
はば
)
めり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
黒血川の名はその時から起り、今こそ水は澄んでいるが、髑髏を見ると、流れ去ることを
沮
(
はば
)
んで恨みをとどめようとするのは、千百年にしてなお浮べないものがあるからだ。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
埒
(
らち
)
を越えるというのでもなく、行きては止まり、歩みては戻り、
径
(
みち
)
の窮まらんとするところでは、
杜
(
もり
)
を横ぎり、水の
沮
(
はば
)
むところでは、これをめぐって、行きつ戻りつしていたが
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
沮
漢検1級
部首:⽔
8画
“沮”を含む語句
沮洳
沮喪
沮洳地
沮授
沮止
長沮
意気沮喪
意氣沮喪
東沃沮
沮君之墓
沮絶
沮鵠
漆沮
臨沮
色沮