毒吐どくづ)” の例文
斷じて出來ませんと答へるとZ・K氏は少時しばらく私をぢつと見据ゑたが、くそ垂れ! 手前などと酒など飮む男かよ、Z・Kともあらう男が! と毒吐どくづき出して
足相撲 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
散々いやがらせを毒吐どくづいた後で「貴方、怒つた?」と云つて上から彼の顔に煙を吐きかけた時の笑顔。
其上そのうへすこしのひまぬすんですわりでもすると、うしろから意地いぢわる邪魔じやまをされる、毒吐どくづかれる、あたまてにはなん因果いんぐわ坊主ばうずになつたかとくやことおほかつたとつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
突きあたってはヒッ叱られ、ぶつかっては毒吐どくづかれ、そのつど「へえ」とお詫びをする。春日町を通って飴屋町、梅川町まで辿って来た。あてなしに辿って来たのである。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その上少しの暇をぬすんで坐りでもすると、うしろから来て意地の悪い邪魔をされる、毒吐どくづかれる、頭の剃り立てには何の因果いんがで坊主になったかと悔む事が多かったと云った。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眼隈めくまの似合うお嬢さんよ!)心の中で毒吐どくづいたのは、果して私の不遜だったろうか?
奥さんの家出 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「これはこれは呆れた話だ」嘉門はまたもや毒吐どくづき出した。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
毛利薪兵衛は面白そうに、後から後からと毒吐どくづいた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)