檢死けんし)” の例文
新字:検死
『もつとちかうおりなさい。それで檢死けんし役目やくめみますか。』とひ/\、玄竹げんちくくさつた死體したいみぎひだりに、幾度いくたびもひつくりかへした。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
藪の深いところ、流れを挾んで一パイの人だかりですが、土地の御用聞が、兎も角それを追拂つて檢死けんしを待つて居ります。
かけられ越前守殿の白洲しらす呼込よびこみと成しかば久八有し次第を逐一に申立し時既に其場所よりも横死わうし人のとゞけ出けるにより先久八は入牢じゆらう申付られ檢死けんし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『もツとそばつて、ほんたうに檢死けんしをなさらんと、玄竹げんちく檢案書けんあんしよしたゝめませんぞ。』と、玄竹げんちくおほきなこゑした。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
その間に係同心が夜中乍ら出張つて來て、檢死けんしが濟んだのは眞夜半過ぎる頃、吊臺の用意をして、お蝶の死骸を、左衞門町の家へ運んだのは、やがて曉方近い頃でした。
こゑとほくから、はなまみつゝ檢死けんし模樣もやうたがつてゐる群衆ぐんしうみゝまでひゞくほどたかかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「今朝は檢死けんしが濟んで、何も彼も父が惡いことになり、遺書は三輪の萬七親分から、町方御役人の御手に差上げることになり、とむらひの濟むのを待つて、改めて御沙汰がある相でございます」