棒切ぼうき)” の例文
こう一は、棒切ぼうきれをきがして、あなをつついてみました。おくほうに、ちいさなしかのつのかたちをしたものが、ちょっとえています。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
大空で迷子星まいごぼしになった竹童は、例の、寝るまもはなさぬ棒切ぼうきれを右手めてにもち、左の手を目のはたへかざして、わしの上から
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あっちへ、んでいけ。」といって、棒切ぼうきれへありのついたみみずをっかけて、はたけほうげてしまいました。
木の上と下の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
竹童はいまや必死のところ、かし棒切ぼうきれを風車かざぐるまのようにふって、燕作の真剣しんけんと火を飛ばしてたたかっているのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これからは竹童も、鞍馬くらまいらいの棒切ぼうきれをすてて、一人前の大人おとなのように、玉ちるやいばで敵にむかうことができる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうしたの、きみってきたのかい。」とたずねました。木田きだは、棒切ぼうきれですなうえをかきながら
すいれんは咲いたが (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、この子供こどもは、とおくから、この紫色むらさきいろひかりつけて、わざわざそのところまでやってきました。そして、ちいさなで、棒切ぼうきれでもってなかから、そのひかいししました。
はてしなき世界 (新字新仮名) / 小川未明(著)