栄達えいたつ)” の例文
ちょうど糟谷かすやが遊んでおったをさいわいに、その主任獣医しゅにんじゅういとなった。糟谷は以来栄達えいたつのぞみをたち、ろくろくたる生活にやすんじてしまった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
かれは、ロマンチックなこい想像そうぞうしました。また、あるときは、おもわぬ知遇ちぐうて、栄達えいたつする自分じぶん姿すがたえがきました。
希望 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、栄達えいたつのついでに、宿望の恋人のほうも、ぜひこの際探しだしてたずさえて帰りたいから、支度をして待っていてくれと、実は、こう俺が頼まれているのだ
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
李張は科挙に及第して文官になったが、鄭宰相がいんよう推輓すいばんしてくれるのでめきめきと栄達えいたつした。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
じぶんはそのお腹様という栄達えいたつに上ろうとさかんに源十郎に代わってお艶をくどいてみたものの、栄三郎に恋いこがれているお艶はなんとすすめても承知しなかった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その栄達えいたつにあきたらず、ちょうをたのんで、諸兄を退け、皇太子の廃立を行い、陰謀によって敵を平げ、その兄すらも退けた。あとを襲って右大臣となり、二年の後に、太政大臣に累進るいしんした。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
そして、その院長が次第に社会的に栄達えいたつして、男爵をさずけられた時にも
雨夜草紙 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)