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ほんこく
幸ひ
妻の
兄は
本國で
相當の
軍人であれば、
其人の
手許に
送つて、
教育萬端の
世話を
頼まうと、
餘程以前から
考へて
居つたのですが、どうも
然る
可き
機會を
得なかつた。
本國を
出でゝから二
年間、
旅から
旅へと
遍歴して
歩く
身は、
折々日本の
公使館や
領事館で、
本國の
珍らしき
事件を
耳にする
外は、
日本の
新聞などを
見る
事は
極めて
稀であるから