“木斛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もっこく85.7%
もつこく14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
冬青樹あおき扇骨木かなめ、八ツ木斛もっこくなぞいう常磐木ときわぎの葉が蝋細工のように輝く。大空は小春の頃にもまして又一層青く澄み渡って見える。
写況雑記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
久保田さんは一歩半ばかりよろめいて、ひょいと向うを見ると、木斛もっこくの粗らな下枝の茂みの彼方に、高等学校の受験準備をしてる長男の洋太郎が、寝間着姿で縁側に立っていた。
人の国 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
時節は十一月のはじめ、小春の日かげに八ツ手の花はきら/\と輝き木斛もつこくの葉は光沢つやを増し楓は霜にそまり、散るべき木の葉はもう大抵ちつてしまつた後である。
枯葉の記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)