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暮果
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くれはて
取直して
快よく
獻つ
酬れつ
飮居たりしが何時しか日さへ
暮果て兩人共
睡眠の氣ざし
肱を
枕にとろ/\と
睡むともなしに
寢入しが早三
更の
頃靱負は
不※起上り其のまゝ爰を
去にける不仕合せも
續けば續くものにて
惣領の松吉も
風邪の心地とて打臥しが是も程なく
冥土の客となりしかば跡に殘りし母と
嫁の悲歎云うばかりなく涙に
暮果暗夜に
燈火を
全くに
暮果たり然ども宵月の時分なれば少しも
撓まず何處迄もと追行ども更に駕籠の見えざるのみか
問んと思ふ人にも
絶て逢ざれば若此儘尋ね得ずばお花は如何に成やらんと
案事る程猶胸安からず暫しも
猶豫ならざれば足に任せて追程に
何時しか廣き野中へ出
道幾筋となく有ければ何に行て
能事かと定め兼四方を