暮果くれはて)” の例文
取直してこゝろよくさしさゝれつのみたりしが何時しか日さへ暮果くれはてて兩人共睡眠ねむりの氣ざしひぢまくらにとろ/\とまどろむともなしに寢入ねいりしが早三かうころ靱負は不※ふと起上おきあがり其のまゝ爰を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さりにける不仕合せもつゞけば續くものにて惣領そうりやうの松吉も風邪かぜの心地とて打臥しが是も程なく冥土よみぢの客となりしかば跡に殘りし母とよめの悲歎云うばかりなく涙に暮果くれはて暗夜あんや燈火ともしび
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
全くに暮果くれはてたり然ども宵月の時分なれば少しもたゆまず何處迄もと追行ども更に駕籠の見えざるのみかとはんと思ふ人にもたえて逢ざれば若此儘尋ね得ずばお花は如何に成やらんと案事あんじる程猶胸安からず暫しも猶豫いうよならざれば足に任せて追程に何時いつしか廣き野中へ出みち幾筋いくすぢとなく有ければ何に行て能事よきことかと定め兼四方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)