時子ときこ)” の例文
往来おうらいでは、勇坊ゆうぼう時子ときこさんが、さむそうに懐手ふところでをしてあそんでいましたが、羽根はねちてくるとすぐに二人ふたりは、はしりました。
東京の羽根 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もはや御察おさっしの通り私は八年ほど昔、君の姉さんである時子ときこと恋に陥ちていたのだ。私は二十五で、時子は二十だった。
三角形の恐怖 (新字新仮名) / 海野十三(著)
光三みつぞう光丸みつまる、という芸名で、若松検番から出ているが、おたがいの間では、時子ときこ良子よしこ、と、本名を呼びあった。光丸が養女になっている辻木惣八の「竹の家」に、光三も同居している。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
時子ときこが言った。なるほど幹子の蝙蝠傘は、黒い毛繻子張けじゅすばりで柄の太い大きなものだから、どう見ても、祖父様おじいさんの古いのをさしたとしか見えませんでした。事実またそうであったかもしれません。
大きな蝙蝠傘 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
此処に来るといふあてがなければ——その遠いハルピンに行けばあの時子ときこに逢へるといふ人知れぬ秘密の希望を持つてゐなければ、Bは決して今度の満韓旅行を承諾しなかつたに相違なかつた。
時子 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
時子ときこさんは、二つ羽子板はごいたってきました。二人ふたりは、羽根はねをついていました。すると、近所きんじょ子供こどもたちがあつまってきて
東京の羽根 (新字新仮名) / 小川未明(著)
幹子の級にも、時子ときこ朝子あさこという口のわるい生徒がありました。
大きな蝙蝠傘 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
東京とうきょう羽根はねだってさ。」と、時子ときこさんは、をまるくして、なつかしそうにった羽根はねつめました。
東京の羽根 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つねさんも、時子ときこさんも、みんながげらげらとわらいました。
仲よしがけんかした話 (新字新仮名) / 小川未明(著)