早急さっきゅう)” の例文
道中駕籠を宿つぎ人足を代えて早打ちみたよう——夜どおし揺られて箱根の峠にさしかかるあたりで明日の朝日を拝もうという早急さっきゅうさ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「それどころじゃねえや! 三人の小町が生きているかも死んでいるかもわからねえ早急さっきゅうの場合じゃねえかッ。のそのそと、どこをほつき歩いていたんだッ」
と立ったが、早急さっきゅうだったのと、抱いた重量おもみで、もすそを前に、よろよろと、お民は、よろけながら段階子だんばしご
女客 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
早急さっきゅうに思い立った踏査に、取りあえず、大急ぎで雇い入れた附近の土民であった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
「ナニ、駒井殿が、あの蒸気船で洲崎を立たれたと、どうして、そう早急さっきゅうに……」
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼は気分の悪いを我慢がまんして、死ぬる前日迄働いた。死ぬる其朝も、ふら/\する足を踏みしめて、苦学仲間のなにがしへやに往って、其日の牛乳の配達を頼んだりした。病気は早急さっきゅうであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
さては敵兵早急さっきゅうに攻むると見えた、急き船をなぎさに付けよと命じた。
賤ヶ岳合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
さらばいかなるたたりを受きょうとも、早急さっきゅうには出来ぬというか。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
不相変あいかわらずじいさんのなさることは早急さっきゅうでございます。
わし怪訝かいがに堪えんもんで、早急さっきゅうとはなしに、本郷方面へ、同僚の筋を手繰ってさぐりを入れると、葛木晋三と云う医学士はいかにもあるじゃね、そしてです、それは医科に勤めておらるるが、内科
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
早急さっきゅうにフイと立つ……。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)