旅拵たびごしら)” の例文
のべ用意ようい雨具あまぐ甲掛かふかけ脚絆きやはん旅拵たびごしらへもそこ/\に暇乞いとまごひしてかどへ立出菅笠すげがささへも阿彌陀あみだかぶるはあとよりおはるゝ無常むじやう吹降ふきぶり桐油とうゆすそへ提灯の
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どこの田舎の武士ざむらい。——一応はそうとしか見えない手織木綿のごつい羽織に野袴のばかまという旅拵たびごしらえ。——けれど大小が図ぬけていい。立派な差料さしりょうである。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出立の日となると、蜂須賀七内はすっかり髪容かみかたちまで変えて、清洲きよすの油問屋の註文取という旅拵たびごしらえをして出かけた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旅拵たびごしらえの武士が二人、一足おくれに駈けつけて来た。十兵衛と又十郎の兄弟であった。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ばばも旅支度だし、小次郎も旅拵たびごしらえなのだ。そしてこの野火止のびどめ立場たてばには、細川家の重臣岩間角兵衛以下、十名ぐらいな藩士とその家来や荷駄の者が今、昼食の休息を取っているのである。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)