斯道このみち)” の例文
あるいは、何かの因縁で、斯道このみちなにがしの名人のこぼれ種、不思議に咲いた花ならば、われらのためには優曇華うどんげなれども、ちとそれは考え過ぎます。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれどもかれ斯道このみちにかけてはまつたくの門外漢もんぐわいかんであつた。したがつて、これより以上いじやう明瞭めいれうかんがへうかばなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だから、このような時勢に、斯道このみちにこころざす者には、たえまなく、生命の危険がともなった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さうしてけば、いくらでも、くらからしてて、きやくまへならべたものである。ちゝ御蔭おかげで、代助は多少斯道このみち好悪こうおてる様になつてゐた。あにも同様の原因から、画家の名前位は心得てゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)