かざ)” の例文
一、士の行いは、質実にして欺かざるを以て要と為し、巧詐にして過をかざるを以て恥と為す。光明正大、みなこれより出づ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
然るに草創さうさうの始に立ちながら、家屋を飾り、衣服をかざり、美妾を抱へ、蓄財を謀りなば、維新の功業は遂げられ間敷也。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
姦言かんげんかざり、近事きんじり、時勢を窺伺きしし、便べんはしげきに投じ、冨貴ふうきを以て、志とす。これ利禄りろくう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
人足が法被はっぴを腰に巻き附け、小太い竹の息杖を突き、胴中どうなか細引ほそびきで縛った長持を二人でかつぎ、文身ほりものといってもかざりではございません、紺の木綿糸を噛んで吐き附けた様な筋彫すじぼり