放蕩ほうたう)” の例文
もともと利発の貴君様にその気づかひはあるまじきなれど、放蕩ほうたうものにでもお成りなされては取返しがつき申さず、今の分にて嬢さまと御祝言ごしうげん
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
亞尼アンニー一人ひとり息子むすこがあつて、放蕩ほうたう無頼ぶらいをとこで、十幾年いくねんまへ家出いへでをして、行衞不明ゆくゑふめいになつたといふことかねいてりましたが、亞尼アンニーは、それをばつね口僻くちぐせのやうに
「善いサマリア人」や「放蕩ほうたう息子の帰宅」はかう云ふ彼の詩の傑作である。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
赤尾あかをひこ息子むすこのやうにちがひにつてかへつたもり候へば、もと/\利發りはつ貴君樣あなたさまそのづかひはあるまじきなれど、放蕩ほうたうものにでもおりなされては取返とりかへしがつき申さず
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)