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揶揄
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からかい
ふりがな文庫
“
揶揄
(
からかい
)” の例文
そしてこのことは、食卓でロタールとフランツとの
揶揄
(
からかい
)
の種となった。ユーディットは肩をそびやかしながら、見事な征服でしょうと言った。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
飾磨
(
しかま
)
から船中の間では目的を果し得なかったが、そのうちには、
屹度
(
きっと
)
最初の意志を貫徹してみせるぞという凄い盗児のよくやる挑戦的な
揶揄
(
からかい
)
にちがいない——と
梅颸の杖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あざやかあざやか」「そっくりだ」賞讃とも
揶揄
(
からかい
)
ともつかぬ呼声が、やけくそな拍手に混って聞えた。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
スルと
憎
(
に
)
くらしいぢやありませんか、道時が
揶揄
(
からかい
)
半分に、
仮令
(
たとへ
)
梅子さんからの御報知は無くとも、松島の口から出たのだから
仕様
(
しやう
)
が
在
(
あ
)
るまい
抔
(
など
)
と言ひますからネ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「君がいなくなっては、安国寺さんにお気の毒だね」と、知人は
揶揄
(
からかい
)
半分に私に言った。
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
「しっかり頼んますよ。」と謹直なA君が今度ばかりは
揶揄
(
からかい
)
気味にきめつけた。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
さっきのように、煽て半分、
揶揄
(
からかい
)
半分の口調などは微塵も残っていなかった。
仇討三態
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
まして、あちらは洒落でも
揶揄
(
からかい
)
でもなく、多少の熱情と敬意を持つ真剣の呼び名であるとしたら、そのくらいのことを心得ないで、外人相手の奉公なり、商売なりが勤まるか、つとまらないか。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
が、ちらと娘を見返った鉄斎の老眼は、父親らしい愛撫と、親らしい
揶揄
(
からかい
)
の気味とでいつになく優しかった。すると弥生は、なぜか耳の付け根まであかくなって、あわてて墨をする手に力を入れた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
心配をしてお袋さんが、師匠の家へ申し訳に来るやら、師匠の妻君がいいわけをするやら、師匠はまた私に、
揶揄
(
からかい
)
半分に、一遍切りで逃げて帰るなぞ笑うやら、まことに馬鹿々々しいことであった。
幕末維新懐古談:20 遊芸には縁のなかったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
帆村には、もう大江山課長の
揶揄
(
からかい
)
も耳に入らなかった。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あなたは馬鹿正直な子供をお
揶揄
(
からかい
)
になった。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
笹村は
揶揄
(
からかい
)
半分に言った。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それに、髪も
埃
(
ほこり
)
のままの
束
(
つか
)
ね
髪
(
がみ
)
で、木綿筒袖の、見得も
風
(
ふり
)
もないのを
裾短
(
すそみじか
)
に着、腕には重たげな手籠をかけ、口達者な長屋女房の
揶揄
(
からかい
)
半分な
囀
(
さえず
)
りのなかに、物売りの腰を低めているのだった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
揶
漢検1級
部首:⼿
12画
揄
漢検1級
部首:⼿
12画
“揶揄”で始まる語句
揶揄的
揶揄半分
揶揄係
揶揄面
揶揄気分
揶揄氣味
揶揄調子