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捕押
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とりおさ
も見ずして
逃去けり役人は外の者に
構ひなく
終に多兵衞願山の兩人を
捕押へ高手小手に
縛めつゝ夫より家内を
改めて町内へ
預け兩人を
虎は
漸の
事で
捕押へたが
其爲に
怪我人が七八
人も
出來た。
床より引下し
拳を上て
既に
打んとなす此時
近邊の者先刻よりの
聲高を聞付何ことやらんと來りしが
此體を見て
周章て
捕押へ種々靱負を
せぬ故に果して
化の
皮を
顯はし
今捕押へたるは
能氣味なりと咄すを聞て家内の者共
然樣の御連にてありしか何にしても不屆な
奴引ずり出して
叩きのめせと
立騷ぐを