トップ
>
拠所
>
よんどころ
ふりがな文庫
“
拠所
(
よんどころ
)” の例文
旧字:
據所
そこで、
注音字母
(
ちゅうおんじぼ
)
では一般に解るまいと思って
拠所
(
よんどころ
)
なく洋字を用い、英国流行の方法で彼を阿 Quei と
書
(
しょ
)
し、更に省略して阿Qとした。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
拠所
(
よんどころ
)
なく雪の道具だけに講釈で聴いて覚えていた「鉢の木」をいい加減にでっち上げて、どうやらこうやらお茶を濁した。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
君江は自分の事から起った騒ぎに
拠所
(
よんどころ
)
なく、
雑巾
(
ぞうきん
)
を持って来て袂の先を口に
啣
(
くわ
)
えながら、テーブルを拭いている
中
(
うち
)
、新しく上って来た二、三人
連
(
づれ
)
の客。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
なまけてもいないに出す作がないというと、やはりなまけていたとお思いになるかも知れませんが、私は
拠所
(
よんどころ
)
ないことで人から頼まれたものをやっているのです
幕末維新懐古談:59 矮鶏の作が計らず展覧会に出品されたいきさつ
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
源兵衛『そなたが来るのを留守にしたのは、
拠所
(
よんどころ
)
ない若衆会所の相談。それも御門徒の一大事に
就
(
つい
)
ての談合と、道々も口を
酸
(
すっぱ
)
くして聞かしてやったではないか』
取返し物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
これも
拠所
(
よんどころ
)
ないという風にその話をして、
猶
(
なお
)
田辺へは最近に何百円とかの金の手に入ったのを用立てた、長年弟の世話に成った礼としてそれとなくその金を贈った
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
頑固にも程があると仰しゃいましょうが、其の頃は身分という事がやかましくなって居りまして、お武家と
商人
(
あきんど
)
とは縁組が出来ません、
拠所
(
よんどころ
)
なく縁組をいたす時は
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
工場は隆盛になったけれどマドリッド市中はその代り
拠所
(
よんどころ
)
ない恐怖に包まれて次第に人心が険しくなって夜も十時を過ごした頃には目抜きの町のAE街をさえ人っ子一人通らないようになった。
物凄き人喰い花の怪
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
総じて新しい肥料はよくないものだが、
自家
(
うち
)
には
堆肥
(
たいひ
)
の用意がない為に、
拠所
(
よんどころ
)
なく新しい馬糞に
過燐酸
(
かりんさん
)
を混じて使った。麦が
生
(
は
)
えると同時に、馬糞の中の燕麦が生えた。麦が
伸
(
の
)
びると、燕麦も伸びた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかし、それでも、
拠所
(
よんどころ
)
ない場合で、弟子を断わり切れぬので両三人また弟子を置くようになりました。
幕末維新懐古談:79 その後の弟子の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
だから昔師匠のこしれえてくれた
器
(
うつわ
)
じゃ、お前ってものはもうハミだすようになっちまったんだ。だから
拠所
(
よんどころ
)
なく
他
(
ほか
)
の器へ入る。それがまた師匠にゃ
無体
(
むてい
)
癪に障るとこういうわけなんだ。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
阿Qは
拠所
(
よんどころ
)
なく
彳
(
たたず
)
んだ。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
拠所
(
よんどころ
)
なくもうあきらめて、貧相でもただ一人で大阪入城とあきらめて参ったところじゃ。行ってくれんか今松さん。尊公なら、わしの戻ったあとも落語家として居残ってって働けようし——
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
で、有金をさらって逃げた二人は、ひとたびお国の郷里越後へ走ったが実家絶えてなく、
拠所
(
よんどころ
)
なく栗橋まで引き返してきたとき、飯島に突かれた傷が痛みだし源次郎はドッと寝込んでしまった。
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
拠所
(
よんどころ
)
なく西黒門町の青物屋八百春へ奉公にだしてやった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
拠
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“拠”で始まる語句
拠
拠処
拠無
拠点
拠地
拠城
拠住
拠陣
拠物線