)” の例文
はあちやんのことだから、何処へおつり出しておいても、間違ひはないだらうけれど、余りめた事でもないつて言つてゐたよ。」
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「当り前さ。卒業の時に因縁をつけた上、世話もしないでおっり出すんだもの。君は僕が学園に好意を持っていると思うのかい?」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
で、今度はまた新しい画絹の上に、蝌蚪おたまじやくしのやうなものをきかけたが、「駄目だ、駄目だ。」とぼやいてまた其辺そこらへおつり出した。
するとおめえ旦那を揉んでいた按摩取がどえらい者で、其処そこに有った火鉢を取って泥坊の顔へぶっった
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なんぼ広い紐育のまちだつて、まさか牛乳ちゝの絞れねえ牝牛に大枚一万四千弗もおツり出す馬鹿者も御座りましねえからの。」
婆「はえいおっかないなアまア、うん、ぶっって火事い出来でかしたかえ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そしてきさしの絵絹ゑぎぬをそこらにおつり出したまゝ、鏡と首つ引きで、眼をむいてみたり、小鼻を膨らませてみたりした。