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手懸
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てがゝ
それでもお
前笹づる
錦の
守り
袋といふやうな
證據は
無いのかえ、
何か
手懸りは
有りさうなものだねとお
京の
言ふを
消して
るものなりやといはれしかば本郷三丁目徳兵衞
店に
住居なし日々雇ひ候者なれども
心底を
確と存じ申さず越後邊の
出生の者と申立しにより大岡殿以後
手懸りともならんかと
樣子を
『
何しろ、
最う
些と
手懸りの
出来るまで
其は
見合はせやう。』
のみ、
手懸りは
何にも
無い。