-
トップ
>
-
應接間
>
-
おうせつま
應接間へ
通ると、
大きな
洋卓の
周圍に
天鵞絨で
張つた
腰掛が
并んでゐて、
待ち
合してゐる
三四人が、うづくまる
樣に
腮を
襟に
埋めてゐた。それが
皆女であつた。
宗助は
日のまだ
高くならない七
時頃に、
昇降器で
煉瓦造の
三階へ
案内されて、
其所の
應接間に、もう七八
人も
自分と
同じ
樣に、
同じ
人を
待つてゐる
光景を
見て
驚ろいた
事もあつた。
中へ
這入ると、
其所は
應接間よりも
倍も
廣かつた。