慾心よくしん)” の例文
しかしながら、白状はくじやうする。此時代このじだいには、研究けんきうだい四かだいで、だい三は好奇心かうきしんであつた。だい二は弄古的ろうこてき慾心よくしん?であつた。だい一はじつ運動うんどう目的もくてきであつた。
「いや、燻製肉の代償だいしょうを欲しているわけでもない。慾心よくしんで、それを造ってあげようというのではない」
矢庭やには引捕ひつとらへてくわんうつたへると二のもなく伏罪ふくざいしたので、石の在所ありか判明はんめいした。官吏やくにんぐ石を取寄とりよせて一見すると、これ亦たたちま慾心よくしんおこし、これはくわん没收ぼつしうするぞとおごそかにわたした。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
群衆は恐さも忘れて、慾心よくしんまるだしに、金庫を目懸けて突進した。五十銭銀貨を一枚でも、てのひらの中につかんだものは、強奪の快感の捕虜となって、ますます興奮を、つのらせて行った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もし、ここでお前の志がくじけることあらば、わしは、お前の御奉公ごほうこうの精神をうたがう。つまり、お前は、自分一個の慾心よくしんで、これまで地下戦車の研究をつづけていたのだと思い、わしはお前を
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)