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惨憺
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みじめ
ふりがな文庫
“
惨憺
(
みじめ
)” の例文
旧字:
慘憺
渠
(
かれ
)
はこの
惨憺
(
みじめ
)
さと
溽熱
(
むしあつ
)
さとに
面
(
おもて
)
を
皺
(
しわ
)
めつつ、手荷物の
鞄
(
かばん
)
の
中
(
うち
)
より何やらん
取出
(
とりいだ
)
して、
忙々
(
いそがわしく
)
立去らむとしたりしが、たちまち左右を
顧
(
かえりみ
)
て
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御蔭
(
おかげ
)
で、岩で骨が痛んだり、泥で着物が
汚
(
よご
)
れたりする憂いがないだけ、
惨憺
(
みじめ
)
なうちにも、まだ嬉しいところがあった。そうして、硬く曲った背中を壁へ
倚
(
も
)
たせた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主将、副将ともに捕われた後の美人連は、
惨憺
(
みじめ
)
なものであります。羊の中へ狼が乱入したように、ひとたまりもなく引っ抱えられて引っ担がれる、泣き叫ぶ、狂う。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
番人も
酷
(
むご
)
いぞ、頭を壁へ叩付けて置いて、
掃溜
(
はきだめ
)
へポンと
抛込
(
ほうりこ
)
んだ。まだ
息気
(
いき
)
が
通
(
かよ
)
っていたから、それから一日苦しんでいたけれど、
彼犬
(
あのいぬ
)
に
視
(
くら
)
べればおれの方が
余程
(
よッぽど
)
惨憺
(
みじめ
)
だ。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
魚
(
うを
)
が
寄
(
よ
)
ると
見
(
み
)
れば、
網
(
あみ
)
を
揚
(
あ
)
げる、
網
(
あみ
)
を
両手
(
りやうて
)
で、ぐい、と
引
(
ひ
)
いて、
目
(
め
)
も
心
(
こゝろ
)
も
水
(
みづ
)
に
取
(
と
)
られる
時
(
とき
)
の
惨憺
(
みじめ
)
さ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
惨
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
憺
漢検1級
部首:⼼
16画
“惨憺”で始まる語句
惨憺極
惨憺悲愴