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悵然
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ちやうぜん
ふりがな文庫
“
悵然
(
ちやうぜん
)” の例文
(歐洲人は思郷病は山國の民多くこれを
患
(
わづら
)
ふとなせり。)されど又ヱネチアのわが故郷ならぬを
奈何
(
いかに
)
せむ。われは
悵然
(
ちやうぜん
)
として此寺の
屋上
(
やね
)
より降りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
涼風は
漣漪
(
さざなみ
)
を吹きよせたり、渚のさざれは玉よりも滑かなり、眠れる渡守を呼び醒し
悵然
(
ちやうぜん
)
として独り城山に対す。
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
と、
力
(
ちから
)
のない、
笑
(
わらひ
)
の
影
(
かげ
)
を
浮
(
う
)
かべて、
言
(
い
)
つて、
悵然
(
ちやうぜん
)
として
仰
(
あふ
)
いで、
額
(
ひたい
)
に
逆立
(
さかだ
)
つ
頭髪
(
とうはつ
)
を
払
(
はら
)
つた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
書して
茲
(
ここ
)
に至り吾人は実に
悵然
(
ちやうぜん
)
として
転
(
うた
)
た大息を禁ずる能はざる者に候。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
名前もわからない芸者に口がかけられないのは、まだ日本の土を踏んで
間
(
ま
)
もない彼と
雖
(
いへど
)
も明白である。彼は床の上に坐つた儘、着換をする元気も失つて、
悵然
(
ちやうぜん
)
と
徒
(
いたづ
)
らに長い手足を見廻した。——
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
青年は
悵然
(
ちやうぜん
)
としてさう云つた。心の中の同情が、言葉の端々に溢れてゐた。さう云はれると、美奈子も、自分の寂しい孤独の身の上が顧みられて、涙ぐましくなる心持を、抑へることが出来なかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
悵然
(
ちやうぜん
)
として
天井
(
てんじやう
)
を
仰
(
あふ
)
いだ。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
上甲板の欄干に
凭
(
よ
)
りて
秋天一碧
(
しうてんいつぺき
)
のあなた、遠く日本海の西の波に沈まむとする落日を眺めつゝ、
悵然
(
ちやうぜん
)
たる愁懐を
蓬々
(
ほうほう
)
一陣の天風に吹かせ、
飄々何所似
(
へうへうなんのにたるところ
)
、
天地一沙鴎
(
てんちいちさおう
)
と杜甫が句を誦し且つ誦したる時
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
母は、かう言つて
悵然
(
ちやうぜん
)
としたが、また直ぐ言葉を続けた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
悵
漢検1級
部首:⼼
11画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“悵”で始まる語句
悵恨
悵
悵嘆
悵快
悵望