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急立
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せきたち
聞より名主の
後家お深は
急立ナニ九助殿
貴樣は親類と
云念頃の
中年
若でも惣内は村役も致す者
滿座の中での
泥坊呼はり
酒興と云ては
濟ませぬと
詰寄るを
懸如何に左仲内記殿の方にて
何と云れしや
何ぢや/\と
急立て尋ぬるに左仲は未だ座にも
着ぬ
樣故甚だ答へに
困りける主税之助は其次第を聞んと
頻に急ぎしかば左仲は
太息を
遁れん爲吉三郎が
拵へ事にて候如何に菊吉三郎と
密通致候
覺えなきならば
其通り早く申上よと
急立けるにお菊は生れしより
始めて
奉行所へ呼出され大勢の中にて吉三郎が
縛められ
窶たるを見て涙を