-
トップ
>
-
思附
>
-
おもひつき
幼君たゞちに
御披見ありて、「こは
一段の
思附、
面白き
取合せなり。
如何に
汝が
心にもこれにて
可しと
思へるか」と
御尋に、はツと
平伏して
汝が
可しと
思ふことならば
予は
何にても
可し、
些變りたる
望なるが、
汝思附の
獻立を
仕立てて
一膳予に
試みしめよ
幼君御機嫌美はしく、「よくぞ
心附けたる。
予も
豫てより
思はぬにはあらねど、
別に
然るべき
戲もなくてやみぬ。
汝何なりとも
思附あらば
申して
見よ。」と
打解けて
申さるゝ。