思附おもひつき)” の例文
幼君えうくんたゞちに御披見ごひけんありて、「こは一段いちだん思附おもひつき面白おもしろ取合とりあはせなり。如何いかなんぢこゝろにもこれにてしとおもへるか」と御尋おたづねに、はツと平伏へいふくして
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なんぢしとおもふことならばなににてもし、ちとかはりたるのぞみなるが、なんぢ思附おもひつき獻立こんだて仕立したてて一膳いちぜんこゝろみしめよ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
幼君えうくん御機嫌ごきげんうるはしく、「よくぞ心附こゝろづけたる。かねてよりおもはぬにはあらねど、べつしかるべきたはむれもなくてやみぬ。なんぢなんなりとも思附おもひつきあらばまをしてよ。」と打解うちとけてまをさるゝ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)