心根しんこん)” の例文
その慕わしいものの心根しんこんをさぐってみると、高綱もまたいつとはなく世上で耳にしていたところの親鸞という名であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其涙そのなみださとしぬぐはれてなほかなしく、にすがりて何時いつまでもきしが、三歳子みつごたましひいつはりにはらで、このこと心根しんこんにしみてかなしければこそ、其夜そのよ閑燈かんとうのもとに令孃ひめがみて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
爲ぞやといはせも敢ず宅兵衞はいかれる聲を張上はりあげて汝等が此程このほどの致し方如何にも心根しんこんてつ殘念ざんねんなる故訴へ出たる所大岡樣の御仁心ごじんしんにて汝等が命つゝがなきことを得たれば我が恨みはなほ晴難はれがたいで我がやいば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)