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心操
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こゝろばえ
お
富と云るが
姉妹共に
心操優しく何處となく
品よき
生質なれば如何なる
貴人の娘といふとも
恥しからず
斯る在所には珍しき者にて殊に
兩人とも
親思ひの
孝行者なれば
今父十兵衞が
年貢の金に
差詰り身を
偖も
管伴忠兵衞は歸ると其儘今日の
始末を
落なく話したりけるに
主個夫婦はほゝ
笑み
容貌許りか
心操も又其
素生も
勝たる女で有らば言分なし追て
𫥇人を立表向
遣はすなれど
善は
急げ且は
一子にも安心を