心掛こころが)” の例文
殊勝しゅしょうなお心掛こころがけじゃ。それなればこそ、たとえあしをば折られても、二度と父母の処へももどったのじゃ。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
老母は常日つねひごろ心掛こころがけのよい人だったゆえに、山の神さまのめぐみを受け、またはふしぎの幸運によって、思うことのなんでもかなう打出小槌うちでのこづちという宝物たからものを手に入れる。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
生来せいらい貴方あなた怠惰者なまけもので、厳格げんかく人間にんげん、それゆえ貴方あなたんでも自分じぶん面倒めんどうでないよう、はたらかなくともむようとばかり心掛こころがけている、事業じぎょう代診だいしんや、そののやくざものにまか
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
賞与の代りには親を棄てなかったつみをゆるしてくださいというと、王もはじめて老人は賢こいものだということに心づき、かつは息子むすこのやさしい心掛こころがけにかんしんして、約束の褒美をあたえると共に
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)