御符ごふ)” の例文
水をのませても、水天宮様の御符ごふを飲ませても、さすってもゆすぶっても、お直はもう正体がないので、彼女も途方にくれてしまった。
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
御符ごふ御神水ごしんすいなぞを取り寄せて、お母様にお戴かせになったり、色々とお苦心をなすったそうです。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
寺にはあやしい御符ごふという加持祈祷かじきとうをした砂があってよく信者がもらいにやって来た。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「お母さんは巣鴨すがもとげぬき地蔵へ行った。お御符ごふでももらって来るんだろう。」
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
蘇鉄そてつの実をせんじて飲ませたり、ご祈祷を枕もとであげてもらったり、不動岡ふどうおかの不動様の御符ごふをいただかせたり、いやしくも効験こうけんがあると人の教えてくれたものは、どんなことでもしてみたが
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
帝釈様たいしゃくさま御符ごふを頂いたせいか、今日は熱も下ったしね、この分で行けばなおりそうだから、——美津みつ叔父おじさんとか云う人も、やっぱり十二指腸の潰瘍かいようだったけれど、半月ばかりで癒ったと云うしね
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
早速さっそく、お見舞いを申し上げて、それから保管方を申し出ましたところ、大変によろこんでくださいました。道中が心配になりましたから、まもりの御符ごふ白河家しらかわけ(京都神祇伯じんぎはく)からもらい受けました。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)