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御存命
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ごぞんめい
しみ/″\
存じて
居りますのは、まだ
七歳八歳、
御親父樣も、
御存命の
時分でござりますから、
彼是雜と二十
年。
アノ時
阿父さんは
何故坊主にすると
仰っしゃったか
合点が行かぬが、今
御存命なればお前は寺の
坊様になってる
筈じゃと、何かの話の
端には母が
爾う申して居ましたが
押拭ひ成程お身の云ふ通り早く兩親に
別れ
師匠樣の
養育にて人と
成ば不仕合の樣なれ共併しさう
達者で成長せしは何よりの仕合なり
譯と
云ば此婆が娘の
産し御子樣當年まで
御存命ならば
恰どお身と同じ
齡にて寶永三
戌年然も三月十五日子の刻の御出生なりしと
語り又も
泪に暮る
體は
合點のゆかぬ
惇言と思へば扨は