ただ)” の例文
旧字:
くらうときにははしを投じ、したるときにはち、ただちにいて診したのは、少時のにがき経験を忘れなかったためだそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
信婦人の車に乗じ、ただちに門に至りてまみゆることを求め、ようやく召入めしいれらる。されども燕王なおやまいを装いてものいわず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
而してただちに三にけ。
李は温の所を辞して、ただちに魚家にって、玄機をれて側室にしようと云った。玄機の両親はへいの厚いのに動された。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかし学芸を研鑽けんさんして造詣ぞうけいの深きを致さんとするものは、必ずしも直ちにこれを身に体せようとはしない。必ずしもただちにこれを事に措こうとはしない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)