弱腰よわごし)” の例文
ある晩、ひさしぶりに法師がやって来た。いっしょに物語りしている間、お兼は何もいわなかった。いよいよとこに入ってから、お兼はその弱腰よわごしを両足でぐっとはさんだ。
大力物語 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
口銭こうせんをとってまとめるのだ。そういうほうの公事くじにも通じていて、おなじ貸金かしの督促にしても、相手を見て緩急よろしきを得る。応対にも、強腰つよごし弱腰よわごしの手ごころをも心得ている。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
神職 (あばき出したる形代かたしろわら人形に、すくすくと釘のささりたるを片手に高く、片手に鉄槌をかざすと斉しく、威丈高いたけだか突立上つッたちあがり、お沢の弱腰よわごしどうる)汚らわしいぞ! 罰当ばちあたり。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、その弱腰よわごしへ、一本の鉄杖てつじょうの先が
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
沖田は女の弱腰よわごしちょうる。
前伏まへぶしに、をとこひざせなのめつて、弱腰よわごし折重をりかさねた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)