弩弓どきゅう)” の例文
それと百千のたいまつが赤々と満城にヒラめき立ち、門楼、やぐら、石垣の上などから、火矢、石砲、弩弓どきゅう征矢そやなどが雨とばかり射浴いあびせてきた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
守備軍は、小舟をあつめて、江岸一帯に、舟のとりでを作り、大小の弩弓どきゅうをかけつらね、一せいに射かけてきた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甘寧かんねいを先手に、蒋欽しょうきん韓当かんとうを左右の両翼に、夜の四更に兵糧をつかい、五更に船陣を押しすすめ、弩弓どきゅう、石砲を懸連かけつらねて、「いざ、来れ」と、待ちかまえていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城兵は生気をとりもどし、壁をつくろい、石垣を修築し、さらに新しい防塁を加えて、弩弓どきゅう石砲せきほうをならべ
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬匹数十頭、兵舟百余艘、弩弓どきゅう、よろいかぶと石火矢砲いしびやほう帆布はんぷ、糧食など、すべて梁庫りょうこに入れられた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
射手は、心得たりと、弩弓どきゅうかけつらね、鉄弓の満を持し、敵の来るも遅しとばかり待っていた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫堅は、充分に備え立て、各船のみよしに楯と射手いてをならべ、弩弓どきゅうつるを満々とかけて
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし麾下きかの軍団は、幾段、幾十隊か数も知れない。そしてそれぞれ金甲きんこう鉄鎗てっそう燦然さんぜんたる部将のもとにたてをならべ——ござんなれ烏合うごうの賊——と弩弓どきゅうまんして待ちかまえていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
闘艦=これは最もおおきくまた堅固にできている。艦の首尾には石砲せきほうを備えつけ、舷側には鉄柵てっさくが結いまわしてある。また楼には弩弓どきゅう懸連かけつらね、螺手らしゅ鼓手が立って全員に指揮合図を下す。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
南皮城なんひじょうの八門をとざし、壁上に弩弓どきゅうを植え並べ、濠には逆茂木さかもぎって、城兵の守りはすこぶる堅かったが、せては返し、襲せては返し、昼夜新手を変えて猛攻する曹軍の根気よさに
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駆けちがう万騎のひづめ弩弓どきゅうのうなり、鉄箭てっせんのさけび、戛々かつかつと鳴るほこ鏘々しょうしょう火を降らしあう剣また剣、槍はくだけ、旗は裂け、人畜一つおめきの中に、屍は山をなし、血は雪を割って河となした。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おのおの一族の兵馬弩弓どきゅうをすぐッて、白馬の戦場へ会せよ」と、令した。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに対して敵も死にもの狂いに、大木大石を落し、弩弓どきゅうを乱射した。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
弩弓どきゅう、鉄砲など、いちどに鳴りとどろく、飛箭ひせんのあいだに
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)