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引致
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いんち
ふりがな文庫
“
引致
(
いんち
)” の例文
嫌疑者を数人
引致
(
いんち
)
するに至ったが、いずれも暗殺当夜の行動を明白に立証することが出来たので、事件は迷宮にはいってしまった。
外務大臣の死
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「君、御苦労だが警察署まで一緒に来てくれ給え。君の伯父さんが現場から
引致
(
いんち
)
されたものだからね、つい君にも
余波
(
とばしり
)
がきた訳さ」
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
そこへあたかも山岸がふらりと帰ってきたので、これは一応の取調べぐらいではすみません、その場から警察へ
引致
(
いんち
)
されました。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今度通行の邪魔をしたら
引致
(
いんち
)
する積りと見えた。箱根を越すとこれくらい世間が違って来るから面白い。それはそうと僕達は又動き始めた。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
問われたり
固
(
もと
)
より我身には罪と云う程の罪ありと思わねば在りの儘を打明けしに斯くは母と共に
引致
(
いんち
)
せられたる次第なり
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
ついでに言っておくが、これらの関係者は、いずれも、死体の発見された即日
引致
(
いんち
)
取り調べられたのである。
アパートの殺人
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
翌日甲田伸太郎が殺人被疑者として
引致
(
いんち
)
されたのは申すまでもない。だが、彼はあんなおとなし相な様子でいて、芯は非常な強情者であった。いかに責められても仲々実を吐かぬのだ。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
なんらの罪を犯した覚えもないのに、これは何事だ、と一人の侍が捕縛に向かって来たものに尋ねると、それは自分らの知った事ではない。
足下
(
そっか
)
らを
引致
(
いんち
)
するのが役目であるとの答えだ。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
まだ
日陽
(
ひなた
)
ボッコをしていたルンペンの鬚男を
引致
(
いんち
)
すると同時に、睦田老人を召喚して立会わせながら厳重な取調べを行う一方に、別の刑事を飛ばして、品川の女郎屋をシラミ潰しに調べ上げると
老巡査
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
甥のリケットはそれっきり姿を
晦
(
くら
)
まして了った。警察に
引致
(
いんち
)
されたA夫人と、A嬢の監禁されていた宿の内儀さんの自白によって左記の事実が明白となった。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
引致
(
いんち
)
しなければならないことになる。それは私も好まないことであるから、正直に話してくれ給え。ゆうべはともあれ、おとといの晩は何をしに行ったのだね。
鴛鴦鏡
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして、当の湯本譲次が唯一の被疑者として
引致
(
いんち
)
せられたことは云うまでもない。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「よろしい。」と、巡査は
首肯
(
うなず
)
いて、「さあ、早く行け。
他
(
ひと
)
の迷惑になるのが判らんか。
斯
(
こ
)
ういう所に
何時
(
いつ
)
までもぐずぐずしていると、道路妨害で
引致
(
いんち
)
するぞ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そこで、博士の
引致
(
いんち
)
となり、黒田清太郎氏の名誉となり、新聞記者にとっては不時の収穫となり、学界にとっては一大不祥事となって、君も云う様に、世間は今この噂で湧いている始末。
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もう仕方がないので、警官は彼女を警察へ
引致
(
いんち
)
しようとすると、好子は気違いのようにまた叫んだ。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
態
(
わざ
)
と明瞭に記述したまでであって、私が当日その場で、これ丈けのことを考えたのではないが、翌日、翌々日と毎朝の新聞によって、私が尊敬する博士その人が嫌疑者として
引致
(
いんち
)
されたことを知り
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“引致”の意味
《名詞》
引致(いんち)
引っ張って連れて行くこと。
被疑者や被告人を強制的に出頭させること。
(出典:Wiktionary)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
致
常用漢字
中学
部首:⾄
10画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出