年数ねんすう)” の例文
旧字:年數
『さァ人間界にんげんかい年数ねんすうなおしたら何年位なんねんぐらいになろうかな……。』と老竜神ろうりゅうじんはにこにこしながら『すくな見積みつもっても三万年位まんねんぐらいにはなるであろうかな。』
もう年数ねんすうもよほどっていますし、それに私にはそれほど興味のない事ですから、判然はんぜんとは覚えていませんが、何でもそこは日蓮にちれんの生れた村だとかいう話でした。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
年数ねんすうふるいものほど、はながたくさんくのだそうだ。」
黒いちょうとお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶんでは一さい夢中むちゅうで、さほどにながいともおぼえませんでしたが、あとでおじいさまからうかがいますと、わたくし岩屋いわや修行しゅぎょう現世げんせ年数ねんすうにして、ざっと二十年余ねんあまりだったとのことでございます。
余は子規しきの描いたをたった一枚持っている。亡友の記念かたみだと思って長い間それを袋の中に入れてしまっておいた。年数ねんすうつにれて、ある時はまるで袋の所在を忘れて打ち過ぎる事も多かった。
子規の画 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)