少間しばし)” の例文
餘りの事とあきはて少間しばし言葉も無りしがさりとて外々へ相談なすべき當も無ければ口惜さを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
少間しばしありて遊佐は二階に昇りきたれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
なすやらんと一時千しうの思ひにて待居まちゐたり却つてとく娘お浪は重四郎がそでへ入しはなにやらんと出し見ればあにはからんお浪樣參る御存じよりと認めたる艷書ふみなりしかば大いに驚き少間しばし茫然ばうぜんとして在けるがやゝあつて心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
餘所よそに見るとは何云心の人なるぞ殊には自分の身勝手みがつてのみ云散いひちらすは鬼かじやか思へば/\なさけなやと愚痴の出るも道理なり偖裏口より入んと思ふにあかり萬燈まんどうの如く大勢なる他人の居る中へかく窶然みすぼらしき姿にて這入はひらん事此家の手前も有ば如何いかゞせんと少間しばしたゝずみ居たりしにかたへに寢て居し一疋の犬あやしく思ひてや齒を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)