小楊枝こやうじ)” の例文
小六ころくさんがおこつてよ。くつて」と御米およねはわざとねんしていて微笑びせうした。宗助そうすけ下眼しため使つかつて、つた小楊枝こやうじ着物きものえりした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うちにのら/\としてれば、兩親りやうしんもとより、如何いかひといわ、とつてあにじやひと手前てまへ据膳すゑぜん突出つきだして、小楊枝こやうじ奧齒おくば加穀飯かてめしをせゝつてはられぬところから、いろツぽくむねおさへて
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大急ぎで済ますと、彼女たちはきまつて小楊枝こやうじで歯をせせり、それを投げ棄てて、便所にはひつて用を足す。それから、再び店へ戻つて客の註文を聞き、高い声で、料理場に叫びかけるのである。
日本三文オペラ (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)