對岸むかう)” の例文
新字:対岸
お光は厭味らしく言つて、いつもの滴るやうなうるほひを眼元に見せつゝ、ツンとした風で對岸むかうの方を向いた。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
かれ焦慮あせつていつもするやうに大聲おほごゑして對岸むかうつたはずふねんだ。「おうえ」とおうずるこゑみづわたつてつよかもちかきこえた。勘次かんじこゑあつせられてだまつた。ぐにへさきうすきりなかからえた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)