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専横
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せんおう
ふりがな文庫
“
専横
(
せんおう
)” の例文
けれどもその一重瞼の中に輝やく
瞳子
(
ひとみ
)
は
漆黒
(
しっこく
)
であった。だから非常によく働らいた。或時は
専横
(
せんおう
)
と云ってもいいくらいに表情を
恣
(
ほしい
)
ままにした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なぜなら、押勝も同じ彼等の一族ではあったが、まるで彼等の首長のように
専横
(
せんおう
)
すぎるからであった。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
嘗
(
かつ
)
て高山
樗牛
(
ちょぎゅう
)
は
菅公論
(
かんこうろん
)
を著わして、道真が彼を登用して藤原氏の
専横
(
せんおう
)
を抑えようとし給うた
宇多上皇
(
うだじょうこう
)
の
優渥
(
ゆうあく
)
な寄託に
背
(
そむ
)
いたのを批難し、菅公の如きは
意気地
(
いくじ
)
なしの泣きみそ詩人で
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それは、藤原一門の
専横
(
せんおう
)
も絶頂期の、
法成寺
(
ほうじょうじ
)
関白道長のころの一社会事件であった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
残年の短かさを覚悟させられた荘公は、晋国の圧迫と太子の
専横
(
せんおう
)
とに対して確乎たる処置を講ずる代りに、暗い予言の実現する前に少しでも多くの快楽を貪ろうと
只管
(
ひたすら
)
にあせるばかりである。
盈虚
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
毒竜の
鱗
(
うろこ
)
は
絡
(
まと
)
い、爪は
抱
(
いだ
)
き、
角
(
つの
)
は枕してもいささかも貴女の身は
傷
(
きずつ
)
けない。ともにこの鎧に包まるる内は、貴女は海の女王なんだ。放縦に大胆に、
不羈
(
ふき
)
、
専横
(
せんおう
)
に、心のままにして差支えない。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
千坂どのの
専横
(
せんおう
)
も度が過ぎるぞ。
城を守る者
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そのころ、押勝の
専横
(
せんおう
)
を憎む若手の貴族に、暗殺の計画がすすめられているという噂があった。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
朕が位に
即
(
つ
)
いてから一日の平和もなく、逆臣のあとに逆臣が出て、
董卓
(
とうたく
)
の大乱、
李傕
(
りかく
)
、
郭汜
(
かくし
)
の変と打ちつづき、ようやく都をさだめたと思えば、またも曹操が
専横
(
せんおう
)
に遭い、事ごとに
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六波羅いったいの経営や西八条の別荘の
華麗厖大
(
かれいぼうだい
)
などは、云うにも足りないとしていたが、まず政権の
専横
(
せんおう
)
ぶりだの、一門を以て高位高官の位置を独占しているのが、何といっても
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頼朝公の亡き
後
(
あと
)
の北条一族の
専横
(
せんおう
)
を
御覧
(
ごろう
)
ぜられ、武家幕府の
奢
(
おご
)
りを憎み給い、やがては鎌倉の末路も久しからずしてこうぞよという
諷刺
(
ふうし
)
をふくめて、
前司行長
(
ぜんじゆきなが
)
に命じて
著作
(
つく
)
らせましたのが、このごろ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「秀吉は早や
専横
(
せんおう
)
を現わしおる。部下どもまでが、権をとって」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
専
常用漢字
小6
部首:⼨
9画
横
常用漢字
小3
部首:⽊
15画
“専横”で始まる語句
専横跋扈