寛大かんだい)” の例文
我々は寛大かんだいに拍手しました。その人はぶるぶるふるえる手でコップに水をついでのみました。コップの外へも水がすこしこぼれました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
みなのもの祝義しうぎでもつかはしませうとてこたへもかずずん/\と引出ひきいだすを、きやくはしらよりかゝつてながめながら小言こゞともいはず、諸事しよじおまかせ申すと寛大かんだいひとなり。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいあたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分をあおぎたいと思います
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さいわいにして明治政府には専制の君主なく、政権は維新功臣いしんこうしんの手にりて、その主義とするところ、すべて文明国のひんならい、一切万事寛大かんだいを主として、この敵方の人物を擯斥ひんせきせざるのみか
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「いや、まったく知らずにしたことなれば、寛大かんだいな若君、おとがめはありますまい。なんにしても、ここでお目にかかることができれば、自分もはるばるの使いとしてきてなによりの僥倖ぎょうこうです」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若い人に対しては寛大かんだいでいてやりたいものです
異教徒席の中からあかかみを立てたふとったたけの高い人が東洋風に形容しましたら正に怒髪どはつ天をくという風で大股おおまたに祭壇に上って行きました。私たちは寛大かんだいに拍手しました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)