寃罪ゑんざい)” の例文
其方共儀むこ夫等をつとら災難さいなんを歎き艱難辛苦かんなんしんくの上公儀巡見使じゆんけんしうつたへ出申立明了あきらかなるにより善惡判然と相あらはれ九助の寃罪ゑんざいそゝぎし信義しんぎ貞操ていさうの段厚くほめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
某縣に於ける時代に、二人が共謀して校長排斥を企ててゐるといふ寃罪ゑんざいかうむつたこと。などを語つた間に、燗徳利は二三度自在鍵でつるした鐵瓶を出たり、這入つたりする。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
ひきうけて世話せわをすることしん兄弟けうだい出來できわざなり、これを色眼鏡いろめがねひとにはほろよひひざまくらにみヽあかでもらせるところゆるやら、さりとは學士がくしさま寃罪ゑんざいうつたへどころもなし。
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かう云ふ点は、現在、男のやつてゐる仕事を女もやるやうになつたらば、男の寃罪ゑんざいを晴すことが出来るかも知れない。私は、こんな意味で女が世の中の仕事に関係するのも悪くないと思つてゐる。
世の中と女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)