家捜やさが)” の例文
旧字:家搜
どうも、大変な話じゃありませんか。それから組頭がつかまえられると同時に家捜やさがしをされて、当人はそのまま伝馬町てんまちょう入牢にゅうろうさ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこで相談の上あらためて家捜やさがしをすることになって、念のために床下までもあらためると、台所の揚板の下には炭俵が二、三俵押し込んである。
半七捕物帳:21 蝶合戦 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「大名の力でやりゃ、源太郎の家ぐらいは踏みつぶせそうなものじゃありませんか、家捜やさがしぐらいはお茶の子さいさいで」
れから脇屋を捕まえると同時に家捜やさがしをして、そうしてそのまま当人は伝馬町に入牢にゅうろう申付もうしつけられ、何かタワイもない吟味ぎんみの末、牢中で切腹を申付られた。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「返答を待つの、待たぬの。また、いるの、いないのと、かような一野衲いちやのうを相手にして、暇どるのもくだらない。かつ面倒だ。この上は、家捜やさがしを行うまでではないか」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うたぐりのかゝるは白翁堂かおれだ、白翁堂は年寄の事で正直者だから、此方こっちはのっけに疑ぐられ、家捜やさがしでもされてこれが出ては大変だからうしよう、これを羊羹箱ようかんばこか何かへ入れて畑へ埋めて置き
ここへ倅が帰って来ると不可いけませんから……。彼児あれは正直者ですから、ひとから嫌疑うたがいを受けて家捜やさがしをされたなどと聞くと、必然きっとおこるに相違ありませんから……。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
辻風典馬てんまは、炉ばたへ坐りこんで、乾児こぶんたちの家捜やさがしするのを、眺めていたが
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんな話のうちに、家捜やさがしは大方済みました。一服やっていると