家並いへなみ)” の例文
旧字:家竝
そうじて主人しゆじんうちにあるときと、そとでしのちと、家内かない有樣ありさまは、大抵たいてい天地てんちちがひあるが家並いへなみさふらふなり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
両側百戸足らずの家並いへなみの、十が九までは古い茅葺勝かやぶきがちで、屋根の上には百合や萱草かやや桔梗が生えた、昔の道中記にある渋民の宿場の跡がこれで、村人はたゞ町と呼んでゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いへなんざふものとも、へるものとも、てんで分別ふんべつらないのだから、空耳そらみゝはしらかしたばかりだつたが、……成程なるほど名所※繪めいしよづゑ家並いへなみを、ぼろ/\にむしつたとかたち此處こゝなんです。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)