宮内くない)” の例文
宮内くないは急にいそぎ足になって、境内けいだいのかたすみにある六かくどうへ向かっていった。一けん木連格子きつれごうしが、六面の入口にはまっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一体から言うと前大蔵大臣は今頃は総理大臣の位置に居るか、高等僧官の中で宮内くない大臣の位置に居るか、どっちかの位置に居られる人だそうです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ブリキを引っかくような音! ……お父さまが宮内くない省からいただいた、あの愛想のいい、『孔雀氏ムッシュウ・ド・パン』のなき声のことなのです。(ほんとうに、失敬ね!)
キャラコさん:08 月光曲 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
時の宮内くない大臣田中伯が、還暦を過ぎた老体をもって、まだ二十はたちを過ぎたばかりの処女——爵位と権勢にあこがるゝ虚栄の女と、婚約をした為に一世のはげしい指弾と抗議とを招いた事件だった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
魔法まほうつえをふるって、王様とお妃をのぞいては、お城のなかの物のこらず、それはおつきの女教師おんなきょうしから、女官じょかんから、おそばづきの女中じょちゅうから、宮内くない官、表役人おもてやくにん、コック長、料理番りょうりばんから、炊事係すいじがかり
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
ましてやいまは、竹童も般若丸はんにゃまる宮内くないの手にあずけてあるし、蛾次郎もあけびまき一腰ひとこしを取りあげられているから、この勝負こそ、まったく無手むてと無手。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内閣 は総理大臣四人と三人の大蔵大臣、二人の陸軍大臣、一人の宮内くない大臣、一人の教務大臣、一人の司法大臣と僧侶の大書記官だいしょきかんとによって形造られて居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
竹童ちくどうはむろんそれに異存いぞんもなし、蛾次郎がじろうも一ごんの不平なく、きっとその約束を守りますといって宮内くないにちかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
光秀を中心として、ここに帷幕いばくしている荒木山城守、奥田宮内くない諏訪すわ飛騨守、御牧みまき三左などの諸将も
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御牧みまき三左衛門、奥田宮内くない、明智十郎左衛門、進士作左衛門しんしさくざえもん、妻木忠左衛門、溝尾庄兵衛みぞおしょうべえなど、明智家譜代ふだいの名だたる勇将は、ことごとくこれへ殺到したといってよい。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
摂津せっつ宮内くない高親たかちかでございまする。ただいま、てまえのそばで、明石あかしノ入道忍阿にんあが、太守の死出のさきがけ仕ると申しながら、腹掻ッ切って相果てましてござりまする」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
斎藤宮内くない
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)