定例じょうれい)” の例文
その間に船津橋をくぐってすぐに左の三角、えびす島の船番所で、川支配の役人から定例じょうれいのとおりな船検ふなあらためをされる。この間が約半刻はんとき
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
定例じょうれいに拠るとこの場合点燈を許さず、飯が済むとすぐ寝てしまうのだが、端無くもまた二三の例外があった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
それがあなた、よくわかりませんのでございますよ、諏訪の方からおいでになった大抵のお客様はひとまず、これへお休み下さるのが定例じょうれいでございますのに、そのお客様ばかりはここを
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
御老中は勿論将軍家も年に二度ぐらいはおなりになるという定例じょうれいでございます、すなわち正面の高座敷たかざしきが将軍家の御座所でございまして、御老中、若年寄わかどしより、寺社奉行、大目附おおめつけ御勘定ごかんじょう奉行、こおり奉行
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「では、試合にさきだって、伝令でんれいの者が、各所かくしょたまりの人々へ、番組ばんぐみ予告よこくするのが定例じょうれいでござるゆえ、そちらの闘士をきめて、この下へご記名きめいねがいたい」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それはいいが、定例じょうれい助郷すけごうのほかに、毎日、植林その他、無給仕事に、お助けと称して一家の働き手を徴発ちょうはつされる百姓たちは、食えない上に、食えなくなった。
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こいつア恐れいりやした。渡りをつけるってえご定例じょうれいは、ほんとのとこは、そちらから、こちらへしていただくのが作法でござんすがね。野暮をいうなあ止しやしょう。——おいっ、
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「以後、馬市の開催は、安土あづちをもって、定例じょうれいの土地とする」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)