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安樂
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あんらく
安樂に暮しなん若又惡事露顯する時は互ひに命を落す
而已なり今一
働きなすべしと申ければ兩人は
異議に及ばず然ば大金
儲に掛らんと其
相談を
讀書は
徒らに人の
憂患を
増すのみの
歎は、
一世の
碩學にさへあることだから、
單に
安樂といふ意味から云ツたら其も
可からうけれど、僕等は
迚も其ぢや滿足出來ないぢやないか。
蒙ふりける又
野尻宿の與惣次の實家は
縁類の者を以て養子となし其の身は傳吉方へ引取れ一生
安樂に
過しお專も其後子供幾多
設けければ傳吉が
取計ひにて實家森田やの
家名を
弔ふこそ誠の
安樂成んとて
幡隨院の弟子となり
剃髮染衣に状を變名を
自貞と改め
淺草今戸に
庵を結び
再法庵と號し母諸共に
行ひ濟し安く浮世を
過せしとかや
庵の壁に
種々の
和歌ありけるが其中に