“子女(しぢよ)” の例文
一般(ぱん)の子女(しぢよ)の境涯(きやうがい)は如此(かくのごとく)にして稀(まれ)には痛(いた)く叱(しか)られることもあつて其(その)時(とき)のみは萎(しを)れても明日(あす)は忽(たちま)ち以前(いぜん)に還(かへ)つて其(その)性情(せいじやう)の儘(まゝ)に進(すゝ)んで顧(かへり)みぬ。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それ故(ゆゑ)一般(ぱん)の子女(しぢよ)のやうではなくおつぎの心(こゝろ)にも男(をとこ)に對(たい)する恐怖(きようふ)の幕(まく)を無理(むり)に引拂(ひきはら)はれる機會(きくわい)が嘗(かつ)て一度(ひとたび)も與(あた)へられなかつた。おつぎは往來(わうらい)を行(ゆ)くとては手拭(てぬぐひ)の被(かぶ)りやうにも心(こゝろ)を配(くば)る只(たゞ)の女(をんな)である。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)